2020年民法改正 | 賃貸借契約 | 大幅な改正点についても解説 | 使用している契約書は大丈夫?

民法改正 賃貸借契約

この記事を読んでほしい人 | 民法改正 | 賃貸借契約

この記事は

  • 民法が改正する事は知っているが、もっと具体的な内容が知りたい
  • 民法の改正によっていまの賃貸借契約にどんな影響がでるかが知りたい
  • 契約書についてどんな変更をすればいいかが知りたい

このような方向けに書いています。 

この記事の内容 | 民法改正 | 賃貸借契約

2020年4月の民法改正とは? 

具体的にいつから?(経過措置の考え方) 

賃貸借契約見直しの主なポイント 

ほぞ

今回は民法改正の中でも、賃貸借契約書の中で影響の大きい2点について特に深堀して触れていきます。

2020年4月の民法改正とは | 民法改正 | 賃貸借契約

オーナー

実に120年ぶりともいわれる大改正です。民法の中にもいろいろありますが、中でも財産法の部分は、120年前の内容を適用していた状態でした。 

ほぞ

120年前といえば戦前です。経済も、人々の生活も今とは別物ですよね。法律も今の社会背景、生活様式に合わせて変化していく必要が当然にあるわけです。

具体的にいつから? | 民法改正 | 賃貸借契約

 施行は2020年4月からですが、4月になった瞬間にすべて適用されるわけではありません。 

 「経過措置」といって、施行後も条件が揃えばすぐに適用されません 

「経過措置」とは

 施行日の前に賃貸借契約が締結された場合は、その期間中は旧法が適用されるものです。 

例えば、 

 2020年3月に契約締結されて、契約期間が1年(2020年3月1日~2021年2月28日まで)の場合は、契約期間中は2021年2月28日までは旧法が適用されます。 

 ただし、自動更新条項がついており、2021年3月1日から同条件で更新された場合はその時点より新民法が適用されます 

民法の条項によっては任意規定・強行規定の違いもあり、また特約で別途取り決めされているケースもあります。すべてに当てはまるものではないので、あくまでも参考程度にしてください

敷金の明文化 | 民法改正 | 賃貸借契約

敷金

旧法では敷金に関しての記述はありませんでした。 過去の慣習や、判例を参考に運用していたのが実情です。 

ほぞ

退去するときなど、必ずもめるポイントなのに、今まで明文化されていなかったのが驚きですね

今回の改正民法においては 

①敷金の定義が新設 

「いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭」 

これが明記されることにより、差し入れるお金の法的性質が明確になりました! 

②賃貸人の敷金返還義務 

賃貸借契約の終了 と併せて 目的物返還の場合 もしくは適法に賃貸借権が譲渡された場合。

に返還義務が発生します。 

③賃貸人の敷金充当権 

例えば、賃借人が家賃を期日通りに支払わないとき、賃貸人は敷金から充当することができます。 

一方で、賃借人からの充当請求は不可です。 

④地位の移転に伴う敷金移転 

物件が譲渡された場合、賃貸人の地位が移転した場合、敷金返還債務は譲受人が承継する。となります。

契約書への記載文案 

  • 未払い賃料を敷金から回収できるようにする 
  • 敷金の返還債務が返還されるかを明確にする   

上記2点を目的に下記の契約書案を作成しました。 

1 賃貸人が本物件及び本契約上の賃貸人たる地位を第三者に譲渡したときは、賃貸人の賃借人に対する本敷金の返還に関する債権は、当該第三者に免責的に承継されることとする。 

2 前項に基づく承継時に、賃借人に賃貸人に対して賃料等の債務を有する場合は、本敷金は当然に未払債務に充当され、当該充当後の本敷金に返還に関する債務のみが前項に基づいて免責的に承継されるものとする。 

ほぞ

こんなところでしょうか。あくまでも参考としてください!

原状回復義務の明文化 | 民法改正 | 賃貸借契約

工事

旧法では原状回復義務については明記がありませんでした。 (権利については明記されています。) 

新民法においては 

収去権についても、収去・原状回復義務について明記されました。 

ただし、一部例外があり、 

  • 収去については、分離できないもの、分離に過大な費用が掛かるもの
  • 原状回復については、通常損耗、経年変化、その他賃借人に責任の無い損傷 

については例外となります。 

上記についての契約書案を作成しました。 

1(原状回復の項目について詳細に明記します。床・壁・天井の仕様など) 

2 前項の規定にかかわらず、賃借人は、本物件から分離できず、又は分離に過大の費用を要するものについては、収去することを要しない。 

 また、本物件の引渡し後に生じた通常損耗、経年劣化及び賃借人の責めに帰することができない事由によるものは原状回復義務を負わないものとする。 

その他の変更点 | 民法改正 | 賃貸借契約

今回は敷金と原状回復についての対応を軸にお話しさせて頂きました。

なお、賃貸借契約に関するその他の改正点は、 

  • 契約期間の定めが延長
  • 修繕義務が一部し賃借人に課せられる
  • 修繕費が明確化
  • 一部滅失の場合の賃料減額
  • 一部滅失の場合の解除

上記の項目についても改正されています。契約書については特約の有無や過去の経緯、その他条件によっても異なるのでたたき台を作成の上、弁護士先生などにご相談頂く事が無難です。

参考文献 | 民法改正 | 賃貸借契約

建物賃貸借契約書の法律実務

ちなみに、わたしが参考にしている本はこちら。契約書条文の例題もあり、解説も丁寧で非常にわかりやすくて助かっています。民法改正を受けて再編がでればまた購入したいと思います。

ほぞ

今回は、民法改正の中でも特に影響の大きいと思われた2点について詳細にお話ししました。

ほかの項目についてはまた別の記事でも触れています。ぜひご覧ください。

最後までお読み頂きありがとうございました!