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契約書の内容

この記事を読んでほしい人 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

この記事は、

  • 契約書に必要な内容は何があるのかを知りたい
  • 不動産賃貸借契約を交わしたいけど、必要な内容がわからない
  • 現在、テナントと契約書を交わしているけど内容が足りているか不安

このような方向けに書いています。

ほぞ

後々のトラブル防止のため、定めるべき事項は数多くあります。揉めないためにしっかりとした契約書を作成しましょう。

もくじ | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

契約書を作成する上で概ね必要な内容は以下のとおりです。

ほぞ

私の務めている会社で使用している契約書の条文一覧です。

ボリュームが多く見えるかもしれませんが、必要最低限の内容ではないかと思います。

上記の内容は大項目のみを羅列しています。

実際には賃貸人、賃借人の業務形態や、建物の用途などによっても異なります。

契約条項 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

契約書

契約書の冒頭に、諸条件を一覧にまとめた条項をまとめます。

  • 建築物の名称
  • 所在地
  • 用途・使用目的
  • 構造
  • 賃貸借の位置(○階 〇〇号室など)
  • 契約箇所の床面積
  • 使用目的(飲食・事務所など)
  • 契約期間
  • 賃料、共益費
  • 敷金
  • 支払い方法
  • 特約方法

などの条件を記載します。

ほぞ

複数のビルなどを管理している場合、契約の条項を整理しておくことで管理がしやすくなります。

ビルによっては、部屋番号などは存在しないこともありますので、どの区画か後から明確にできるような名称を決めておくことも必要です。

賃貸借の目的物 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 賃貸人は、契約要項記載の建物の契約要項記載の目的物を賃借人に賃貸するものとする

などと記載します。賃貸借契約の対象をこの条文で指定し、具体的な範囲は別に図面を添付したりして間違いの無いように表示します。

ほぞ

床面積は壁芯計算で算出することが一般的ですが、内法計算でも可能です。

壁芯面積とは、壁や柱の厚みの中心線で測られた建物の面積のことです。一方、壁の内側の寸法で測られた面積を内法面積といいます。

https://www.homes.co.jp/

使用目的 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 使用目的は、契約要項記載の通りとする。

などと記載します。

ほぞ

使用目的は後々トラブルになりやすい項目です。

事務所、会議室、飲食店、倉庫など、具体的に定めておく必要があります。

契約期間・更新 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  1. 契約期間は、契約要項のとおりとする
  2. 賃貸人または賃借人が、期間満了の6ヶ月前までに、それぞれ相手方に対して意思表示をしない限り、本契約は期間満了の翌日から更に〇〇年間更新され、以後も同様とする

などと記載します。

一般的に2〜5年程度の契約期間で自動更新とすることが多いですが、双方の協議、同意事項なので年数に明確な決まりはありません。

1年未満の期間を定めた時は、借地借家法により「期間の定めのない賃貸借」とみなされ、解約通知などの意思表示から3ヶ月経過した時に賃貸借が終了します。

また、賃貸人からの契約終了については正当事由が必要になります。

ほぞ

この「正当事由」がかなり厄介で、トラブルの元になります。

オーナーが自分で居住する、従業員が居住するなど。

もしくは立退料を支払うことも金額によっては正当事由になり得ます。

賃料、共益費 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

書類
  1. 賃料(共益費)の額、支払い方法は契約要項記載のとおりとする。ただし、1ヶ月未満の賃料は日割り計算とする
  2. 消費税については賃借人の負担とし、その支払い方法は賃料(共益費)の支払い方法に準ずるものとする。なお、契約期間中に税制改正があった場合は、改正後の税額によるものとする

などと記載します。

賃料については面積と単価を表記するのではなく、総額を記載した方がトラブルの防止になります。

ほぞ

居住用物件は非課税。事業用は課税です。

また、消費税の変更時のため、外税にしておいたほうがいいと思います。

賃料、共益費の改定 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 経済情勢の変動により賃料、共益費の額が不相当となった時には、双方協議の上、改定することができる

などと記載します。

ほぞ

賃料を減額しないという条項は賃借人に不利な条項であるため無効です。

「減額しない」旨の条項を入れるためには、定期借家契約とすることが必要です。

敷金 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  1. 敷金の額は、要項記載のとおりとし、契約締結と同時に委託するものとする。
  2. 以下、敷金に関する条項を概ね⑧項目程度記載します。(長くなるので割愛)

敷金は、賃料などの遅延損害金、原状回復工事、明け渡し完了までの損害金などに充てるものです。

ほぞ

「保証金」の名称で契約することもあると思います。その場合は、保証金の名称で契約書を作成すれば、特に問題はありません。

諸費用の負担 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 賃借人は、次の費用を負担するものとする
    1. 賃貸借区画内の照明および機器の電気料
    2. 時間外空調費用
    3. 以下ビルの形状や用途などに応じて記載します。

ここでは、賃料および、共益費以外で、賃借人が負担する費用について記載します。

ほぞ

ビルによって異なります。(時間外空調の取り扱いや消防関係など)

ちなみに最近作成したオフィスビルの契約書では5項目程度を記載しました。

遅延損害金 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 賃借人が賃料、共益費その他の債務の支払いを遅延したときは、賃貸人は延滞金額に対して年3%の割合による遅延損害金を直ちに賃貸人に対して支払う。

などと記載します。

ほぞ

2019年までの民法改正前は法定利率は5%でしたが、2020年4月の改正により3%になりました。今回は民法に合わせました。

反社会的勢力の排除 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 賃借人は、次の事項を確約する
    1. 賃借人、または賃借人の役員等が暴力団、暴力団関係企業、総会屋もしくはこれらに準ずる者またはこれらの構成員ではないこと
    2. 反社会的勢力に自己の名義を利用させ、本契約の締結および履行をする者ではないこと。
ほぞ

あまりピンとこない条項かもしれませんが、必ず記載しておきましょう!

登記事項の変更 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  1. 賃借人は住所、名称、代表者その他登記事項や身分上の事項に重要変更があったときは、書面をもって、遅滞なく、賃貸人に通知するものとする。
  2. 以下、3項目にわたって記載します。

基本的にはこれらの変更をされても契約自体に影響を及ぼすものではありません。ただし、きちんと書面で通知するよう義務付けておく必要があります。

ほぞ

登記事項については定期的に確認しておくと、万が一のトラブルの際に有効です。

会社名が変わっても賃貸借契約は基本的に有効ですが、書面で通知を受領しておきましょう。

賃貸借の譲渡等の禁止 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

2020年4月の民法改正に関して、賃貸借契約に関する部分の要点をまとめました
  1. 賃借人は、営業譲渡による場合その他形式を問わず、本契約に基づく一切の権利を他人に譲渡、または担保に供してはならない。
  2. 以下、およそ5項目にわたり禁止事項を記載します。

転貸と同居については、転貸は認めないが同居については協議、審査の上認める場合があります。ただし、いずれにせよ書面で相手先の情報をもらい、こちらも書面での承諾をする必要があります。

ほぞ

この条項でも、前の条項でも反社会的勢力については禁止しています。ここに抵触すると無催告解除事由となります。

善管注意義務 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  1. 賃借人は、本物件、本建物を善良な管理者の注意をもって使用するものとする。
  • 本物件(貸室や専有部)
  • 本建物(共用部)

のどちらに対しても善管注意義務を規定します。

善管注意義務とは、「善良なる管理者の注意義務」のこと。

善管注意とは「債務者の職業や社会的・経済的な地位などにおいて一般に要求される程度の注意義務を負うこと」を指し、自己の財産に対する注意義務よりも重い注意義務が課されることになる。

https://www.homes.co.jp/words/s4/525003901/
ほぞ

簡単に言うと、借りている立場なので、自分のものよりも大切に使いましょうということです!

管理規定の遵守 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 賃借人は、本物件および本建物の使用にあたり、賃貸人の定める管理規則を遵守するものとする。(契約締結後に変更となった規則も含む)

契約書とは別に、賃貸の目的物の使用方法を定めた管理規則を作成する必要があります。

利用時間や工事の際の決まり事など、それらを守ることを本条項で求めています。

ほぞ

管理規則は契約書とは別に作成し、定期的に見直す必要があります。

契約締結後に変更になった規則についても遵守するように、記載しておきましょう。

損害賠償 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  1. 賃借人またはその代理人、使用人、請負人の故意または過失によって本物件等に生じた一切の損害は賃借人が賠償する。
  2. 本建物において、賃借人または関係者等が故意または過失により第三者に損害を与えた場合は賃借人はその損害を賠償する。

建物等に損害を与えた際の賠償責任に関して、契約書記載の賃借人だけではなく、使用人(=従業員)、請負人などについても責任を負う旨の記載をします。

ほぞ

実際には、この項目を入れることで保険に加入することを勧めることが多いです。

諸造作、設備工事等 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 賃借人は、諸造作の新設、付加、除去、改造、修繕その他本物件の現状の変更を希望する際は、事前に賃貸人の承諾を得なければならない。
  • 以下、およそ3項目を記載します。

造作、設備等の「工事前」に賃貸人に承諾を得ることとしています。また、業者は賃借人が勝手に選べないこと、費用は賃借人負担としています。

 また、増設した設備がメンテナンスや定期点検が必要なものの場合、その責任を賃借人が負う旨も入れた方がいいと思います。

ほぞ

共用部にテナント設備を設置する場合は、他のテナントとの兼ね合いもあるため、維持管理について書面で整理しておくことが必要です。

修繕 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 本物件の維持保全に必要な修繕が生じたときは、賃借人は速やかにその旨を賃貸人に通知しなければならない。
  • 前項の通知により賃貸人が必要と認めた場合は、賃貸人が実施する

民法の中では、賃借物が修繕を要するときは、賃借人は遅滞なく、その旨を賃貸人に通知しなければならない。ただし、賃貸人がすでにこれを知っているときは、この限りではない。と規定されています。

ほぞ

なお、特約で一定の範囲の修繕について賃借人に負担させることを取り決めることは有効です。

立ち入り、点検等 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 賃貸人または賃貸人の指定するものは、維持管理その他業務運営上必要があるときは、事前に通知した上で本物件に立ち入り、点検を実施することができる。ただし、緊急を要する場合において事前に通知することができない場合は、通知せずに立ち入ることができるものとする。なお、この場合は賃貸人は事後速やかに賃借人位に対してその旨を報告するものとする。
  • 前項の立ち入り、点検等について賃借人は賃貸人に協力するものとする。

民法第606条には、賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。と規定されています。

ほぞ

ビル管理においては様々な点検があります。テナントの立ち入りが必要な点検もあるので、しっかりを明記しておきましょう。

免責事項 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  1. 賃貸人が必要と認める本物件等の諸造作、設備等の新設、改造、修禅及び維持管理業務を行うことにより賃借人に損害が生じても、賃貸人はその責任を負わない。ただし、故意または過失によるものはこの限りではない。
  2. 地震、火災、風水等の事由、停電、漏水事故等の際は賃貸人は故意または重過失がない限りは責を負う。

賃貸人がビルの維持管理のために行う作業についての損害賠償を負わないことを規定しています。入居後に想定される作業についてはある程度予想できるので、契約前に説明しておくと、トラブルを防止することができると思います。

ほぞ

法定の停電作業や、消防設備点検などでの入室など、賃借人にも協力してもらうための条項です。毎回毎回、「営業補償だ!」と言われたらたまりません。。

期間内解約 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 期間内解約を認めない場合
    • 賃貸人及び賃借人は、本契約期間中は本契約を解除することはできない。

  • 期間内解約を認める場合
    • 賃貸人または賃借人は、契約期間内に契約を解約しようとするときは、相手がたに対して書面で申し入れをするものとし、その申し入れの日から6ヶ月を経過したときに、契約は終了する。
    • ただし、賃借人は6ヶ月分の賃料及び共益費を支払うことにより、即時に解約することができる。

期間内の解約を認めるかどうかは、ビルの経営方針やテナントとの競技の中で決めていく必要があると思います。

ほぞ

賃貸人からの解約申し入れについては正当事由が必要になります。

契約書に入れたからと言っていつでも有効ではないので注意が必要です。

契約の解除 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 賃貸人は、賃借人は次に該当する場合には、催告なしに解除することができる。
    1. 賃料、共益費等を支払わなかったとき。
    2. からおよそ8項目程度まで記載します。

別途、解除した場合の損害賠償についても求めることができます。実務上は、違約金については契約条件や、賃料などケースバイケースでの判断になると思います。

ほぞ

契約書上は、「催告なし」で解除が可能と入れておきますが、実際には事前に調整の上、手続きをすることになると思います。

契約書はあくまでも契約書として、実務上はテナントとの関係を壊さないような調整が大切です。

建物滅失による契約終了 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 天災その他の事由により、本建物の全部、もしくは一部が滅失、破壊し本契約の目的を果たすことができない場合は、本契約は当然に終了する。

本条項は、民法に記載されている内容を規定したものです。

ほぞ

地震や洪水などで建物が被害にあった時を想定しています。

明渡し | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 契約期間の満了、解約、解除などの事由により、本契約が終了したときは、賃借人は次のとおり本物件を明け渡すものとする。
    1. から始まり、およそ3項目程度の条文を記載します。

明け渡し、原状回復についてはトラブルになりやすいところです。基本的な民法の考え方では原状回復の中での通常損耗(内装の細かい傷や日焼けなど)は賃貸人負担との考え方ですが、契約書にしっかりと明記して合意すれば、賃借人に負担してもらうことも可能です。

ほぞ

契約書だけでなく、引渡し時点の「原状」を写真付きでしっかり残しておくことも非常に大切です。

連帯保証人 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 連帯保証人は、期間満了後の更新も含め、本契約が存続する限り、賃貸借条件や内容に変動があるばあいであっても、賃借人が負担する債務について連帯債務の責を負うものとする。
    1. からおよそ3項目まで、連帯保証人について記載します。

連帯保証人が個人である場合は、極度額を別で定めなければ無効になる可能性があります。敷金の額でもいいと思いますが、しっかり記載することを忘れないようにしましょう。

ほぞ

企業規模が大きいほど、個人の保証人はつかない印象があります。

一方、スタートアップの企業さんなどでは社長さんに保証人になってもらうことはあります。

守秘義務 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 賃貸人、賃借人は本契約期間中だけでなく契約終了後においても、本契約の内容並びに本契約の締結及び履行にあたって知り得た情報を第三者に漏洩してはならない
  • ただし、法令上公開又は開示する必要がある場合及び官公庁より紹介を受けた場合等、正当な自由があるときは、この限りではない。
ほぞ

ビル側もテナント側も両方に課している点がポイントです。また、契約終了後についても、明記しておきましょう。

合意管轄 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 賃貸人及び賃借人は、本契約及び本物件に関する訴訟については東京地方裁判所を第一審の専属的管轄裁判所とすることに同意する。
ほぞ

仮に揉めた相手の拠点が北海道であった場合、北海道の裁判所に毎回出向くことになったら大変です。。

準拠法 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  • 本契約については、日本国法に準拠する
ほぞ

実務上、この条文を適用したことはありませんが、もし海外の法人と契約をする場合には注意しましょう。

信義則 | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

  1. 本契約に規定のない事項及び条項について疑義が生じた場合は、民法その他の法令及び慣習に従い、誠意をもって協議し、解決にあたるものとする。

民法に規定されている、

「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」という規定を再確認したものです。

ほぞ

当たり前のことですが、通例で記載している印象です。

(正直、実務の中で議論の対象になったことはありません)

終わりに | テナント | 賃貸借契約書 | 内容

入居テナントとビル側が長く付き合っていく中で、基礎の基礎になる賃貸借契約書の内容についてまとめました。

もちろん、ビルの形状や用途、テナントの業態や使用方法によっても異なりますので、詳細の条文についてはこの記事では割愛しています。

要点と大項目のみまとめてありますので、あくまで参考までに取り扱ってください。

ほぞ

もしお仕事等でお困りの方は別途ご相談いただけければ回答します!

ビル、テナント毎に契約書の作成も請け負いますので、お気軽にご相談ください!