原状回復工事の負担割合 | アパート管理 | 入居者負担工事の考え方 | 特別損耗 | 不動産管理

原状回復工事の考え方

この記事を読んで欲しい人 | 原状回復工事 | 入居者負担

  • アパートなどの原状回復工事について知りたい
  • その中でも、「入居者」負担の工事項目について知りたい
  • 少しでも工事負担額を減らしたい!

上記の方に向けて書いています。

賃貸アパートや賃貸マンションの退去時の原状回復工事

例えば、引っ越し作業の時に床を深く傷つけてしまった場合には、基本的に入居者負担で原状回復が必要です。

ほぞ

ただし、この場合でも全額を負担する必要ありません!

考え方について、詳しくまとめました。

もくじ | 原状回復工事 | 入居者負担

今回の想定として、入居者が引っ越しの際に床(クッションフロア)を傷つけて張り替えが必要になったと仮定して、順に説明していきます。

原則、このケースでは入居者負担です。オーナー(=大家さん)負担の工事項目は別記事でまとめています。

 

なお、本ページは国土交通省住宅局が発行している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」が一つの指標になっています。文字総数130,000超えの大作ですので、今回はその中から関連する箇所だけわかりやすく抜粋しています。

国土交通省HP
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.html

減価償却・通常損耗の考え方 | 原状回復工事 | 負担 | 考え方

別記事でも触れていますが、減価償却・通常損耗については通常に使用していても発生すると考えられるため、入居者ではなくオーナーが負担します。

経過年数による具体例 | 原状回復工事 | 負担 | 考え方

償却
6年・8年で償却していく価値の例

ガイドラインによると、床のクッションフロアは6年で償却していくと考えられるため、6年後に残存価値が1円となるように線を引き、入居者側の負担割合を決定していきます。

ほぞ

耐用年数6年の場合は、3年経過すると50%の価値が残ります。

但し、残存価値が1円でも善管注意義務(=善良なる管理者の注意義務)はあります。

仮に残存価値1円のクロスに落書きをして張り替えることとなった場合、クロス本体の費用負担は1円だとしても、その際の工事費や人件費は払う義務が生じることもあります。

入居年数の取り扱い | 原状回復工事 | 負担 | 考え方

AせんB線
縦軸…%   横軸…経過年数

先ほど、経過年数と共に価値がなくなっていくものがあると説明しました。

それに加えて、入居したときに内装のすべてが新品でない場合があるので確認が必要です。

図を貼り付けますが、例えば6年間で価値が1円に償却していくものについては、

  1. 入居時に1年経過していたらAの線
  2. 3年経過していたらBの線

にシフトさせて考えることができます。

ほぞ

入居の時にオーナーさんや管理会社に確認しておきましょう!

入居時に記録をしっかりと残しておく事が大切です。

内装ごとの耐用年数 | 原状回復工事 | 負担 | 考え方

内装の項目ごとの耐用年数を下記にまとめています。

  • 畳 考慮しない
  • カーペット(クッションフロア) 6年
  • 壁(クロス) 6年
  • 襖(柱・紙部分)
  • 鍵交換 考慮しない
  • クリーニング 考慮しない
  • エアコン(一般家庭用)6年 ※

※大規模な物、建物付属設備と判定されれば13年または15年

ほぞ

襖や障子などの紙は「消耗品」なので償却しません。破損させた場合は入居者負担となるので注意が必要です。

工事の範囲 | 原状回復工事 | 負担 | 考え方

例えば床のクッションフロアの一部を破損させてしまった場合、その部屋全体の張替えまで負担しなければならないのか、もしくは部分張替えでいいのかも注意が必要です。

基本的な考え方

ガイドラインによると、可能な限り既存部分に限定し、補修工事が可能な最低限度を施工単位とすることとなっています。

部分補修が不可能な場合

例えば、一部分のみ張替えると、張り替えていない箇所と色合わせが必要な場合や、同じものを張り替えても経年のため逆に目立ってしまうなどの理由で結局全体を張り替えるケースも多いと思います。

この場合は、どこまでが居住者側の負担になるかが問題となります。

ガイドラインでは、部屋全体の色や模様が一致しないからと言って住めないわけではないことや、部屋全体の模様を統一させることはグレードアップに相当する部分が含まれると考えられるため、全体の張替えは原則大家さんという考え方もあります。

 一方で、傷めた部分のみの張替えが可能であっても、張り替えた場所が明確に判別できると建物価値の減少を復旧できていないとも考えられます。

よって、傷めた場所と、実際の張替えの際の施工範囲に差が生じる場合は補修工事の最低施工可能範囲で、当事者間で不公平とならないようにすべきとなっています。

内装ごとの負担単位 | 原状回復工事 | 負担 | 考え方

内装の項目ごとの表を下記にまとめておきます。

  • 畳 原則1枚
  • カーペット(クッションフロア) 原則㎡(複数個所の場合は居室全体)
  • 壁(クロス) ㎡単位 (複数個所の場合は居室全体)
  • 襖(ふすま) 1枚単位
  • クリーニング 部位ごと、また住戸全体

これまでの説明を要約すると、

仮に一部屋全体が20㎡で、傷をつけた箇所が2㎡の場合、

まずは原則2㎡部分のみの張替え金額が基準になります。

そこから経過年数で償却を考えますので、

例えば張替えから3年経過していた場合は、部材部分の金額は50%で計算します。

上記は、床材などの材料のみの費用です。

施工費、工事費などは償却しないので注意が必要です。

まとめ | 原状回復工事 | 負担

退去の際の原状回復工事については年間17,000件近い相談が国民生活センターに寄せられているそうです。

不動産管理会社や、オーナーさんの言うことを鵜呑みにすることなく、しっかりと情報収集をして、退去立会いに臨みたいですね。

ほぞ
  • 大家さん負担の工事項目
  • 入居者負担の工事項目

についてはそれぞれ別記事でまとめています。ぜひご覧ください。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!