自社ビル | デメリット | 所有してはいけない理由とリスク | 現役ファシリティマネージャーが解説

自社ビルデメリット

この記事を読んで欲しい人 | 自社ビル | デメリット

この記事は

  • 自社ビルを建てようか迷っている
  • 今はオフィスを借りているけど、このままでいいのかな?
  • ビルを建てたい!でもそのリスクも知りたい!

このような方向けに書いています。

ほぞ

費用などの金銭面から考えると自社ビルは建てないほうがいいです!その理由を不動産管理担当10年以上の経験からまとめました。

もくじ | 自社ビル | デメリット

ほぞほ

この記事は、自社ビルを所有して本社を同じビル内に構えて利用しつつ、他社を入居者として契約し、賃料をもらうケースを想定しています。

一棟を全て自社で使用する場合とは異なるケースもありますが、参考までにお読みください。

空室リスク | 自社ビル | デメリット

仮にビルを新築する場合、まずは入居者を探すことから始めなければなりません。(いきなり満室からスタートするわけではありませんよね)

入居者は不動産仲介業者さんが連れてきてくれるのではないの?

ほぞ

基本的にはそうですが、よっぽど立地が良くないとすぐには決まりませんし、賃料設定や入居審査、契約手続きなど、ビルオーナーが行う業務も多いです。  

新築工事の前であれば、ビルのコンセプトの決定やビルの運営方針なども非常に重要です。

地域の特性や近隣とのバランス、強豪ビルとの差別化なども適切なものにしないと、後々のビル経営に大きな影響を及ぼします。

また、スムーズに入居者が決まればいいですが、

  • そもそも全く問い合わせがない
  • 当初の想定賃料よりも安くないと決まらない
  • フリーレント(賃料の一部免除)など、想定外の賃料減が発生する

このようなケースもよくあります。

ほぞ

むしろ、想定よりも家賃などの条件が厳しい場合の方が多いです。賃料収入を見込んで銀行からの融資を受けていた場合、支払いなどかなり厳しくなり胃の痛い日々を過ごすことになります。

テナント対応 | 自社ビル | デメリット

無事に入居者が決まった場合でも、今度は入居中のテナント対応をする必要があります。 

入居者さんの対応は管理会社に任せて安心!ではないの?

ほぞ

確かに、管理会社に任せる場合もありますが、どこまで委託するかで管理費用はかなり変わってきます。

オーナーが自社ビルを利用しつつ他のフロアを賃貸に出している場合、問い合わせなどは、ビル側が直接対応することがほとんどです。

ただし、全てを自社でやるわけではなく、

  • 警備
  • 設備
  • 清掃

これらの専門性が高い業務や、人の手配が必要な業務に関しては管理会社や専門の業者に委託し、法定点検や24時間の常駐をお願いするケースが多いと思います。

ほぞ

委託すれば安心!というわけではなく、むしろ委託先の業者さんを管理するのもなかなか大変です。

また、入居テナントからの問い合わせなどを自社で対応する場合、

  • 空調調整(暑い寒いなど)
  • 隣、上下階からの騒音
  • 設備などの不良
  • 入館管理など

このような細々とした内容ですが、1件1〜2時間かかるとすぐに時間が無くなります。

もちろん、全て自分たちで対応はできませんので、委託している警備設備清掃の各担当業者さんと協力して対応しますが、なかなか時間と手間はかかります。

ほぞ

あまり大きな声では言えませんが、警備・設備・清掃さんのスタッフさんがトラブルの元になることもあったりなかったり・・・

加えて、テナントだけでなく近隣との対応も時として悩みの種になり得ます。

よくあることとすると、

  • 境界のトラブル
  • 入居者マナーのトラブル
  • 駐車場、駐輪場のトラブル
  • ゴミ出しのトラブル
  • 騒音などのトラブル

これらは、入居者として入っていると無縁ですが、ビルの所有者がきちんと対応する必要があります。

ほぞ

近隣との関係構築はかなり大切です!

家賃など発生するわけではないので、見過ごしがちですが・・・

日常点検・大規模工事 | 自社ビル | デメリット

電気工事などの工具

これは一番イメージが湧きやすい項目だと思います。結論から言うと、「費用と手間がかかります!」と言うことです。

ビルの規模や用途にもよりますが、各種法律で義務付けられている点検があります。

これらの点検の実施自体は設備さんなど関係業者さんに委託しますが、ビル側で行う可能性のある業務として、

  • 入居テナントの専有部に入る作業
  • 全館放送を流す必要のある作業
  • 停電を伴う作業

これらはすべての入居テナントと日程や時間などを調整する必要があります。

入居しているテナントの数が数社程度なら大したことはありませんが、

  • 24時間のコールセンターを抱えているテナントがいる
  • プロジェクト開発関係のテナントで入室に厳重な手続きが必要
  • テナント数が10社以上
ほぞ

これらの条件に当てはまっていると、上記の調整だけでもかなりの労力がかかります。

ビルの点検についてまとめた記事はこちら!

ちなみに点検以外でも

  • 専有部内の空調機更新
  • 照明器具の更新(LED化など)

など、大規模改修工事で室内に影響が出る場合も同様です。

ほぞ

ビルが大きくなればなるほど、またテナント数が増えれば増えるほど各社との調整が大変です。工事の担当で業者さんとやりとりする担当と、営業担当で入居者と調整する担当とで分かれている会社もあります。

行政対応 | 自社ビル | デメリット

ビルを運営していると、

  • 都税事務所(事業所税)
  • 建築指導課(建築基準法)
  • 消防署(消防法)
  • 保健所(ビル管法関係)

などの問い合わせを受けます。

たとえ入居テナントが違反をして指摘を受けたとしても、法律によってはビルとしての責任を取られることもあります。

ほぞ

上記の法律はほんの一例です。仮に法律が新しくできた時にもビル側での責任になるので、業務量が増えますね。

採用のリスク | 自社ビル | デメリット

自社ビルを管理、運営していくためには大変な手間がかかることがわかったと思います。

じゃあ、新しく人を採用すればいいですね!

ほぞ

そこも要注意!人を採用することこそ、大きなリスクだと私は思っています。

自社ビルを管理・運営するために人を採用しようとした場合でも、スムーズに行くとは限りません。

  • 採用するためにコストがかかる(リク◯ビなどに掲載するのも費用がかかる)
  • 書類選考、面接にも労力
  • いい人の応募があるかもわからない
  • 無事に入社した後も研修などにも費用が必要
  • 正社員の労務管理も一苦労
  • もしトラブルを起こす社員でも解雇させるために労力がかかる。

ビル管理業を通じて100社程度の会社さんとやりとりをしてきましたが、少し問題のある社員さんを採用してしまったがために、恐ろしいほどの労力を使ってしまった会社さんもみてきました。

ほぞ

私が事業として行う場合は、個人事業の範囲回で留めておこうと思っています。

入居テナントを入れるとすると、

入出金管理(経理) テナント管理(フロント、営業) 工事管理(施設担当)

が必要かと思います。

また、これらの社員さんの労務管理も必要になります。

それでも建てたい人へ | 自社ビル | デメリット

上記のように、

  • お金がかかる
  • 入居者管理などで労力もかかる
  • 採用するにしても労力がかかる

などのデメリットをまとめてきました。ビルの入居者としての立場であれば、これらの労力をビル側に依頼すれば良いだけなので毎月の家賃を支払うだけで済みます。

ほぞ

家賃高いな・・・と感じるかもしれませんが、上記の手間などを考えると安いものです。

家賃は基本的に固定ですので変動しませんが、修繕費などは突然に必要になります。

それでも建てたい!自社ビルが欲しい!!

ほぞ

では唯一のメリットを紹介します。

上記の条件の中ですが、私が考える唯一のメリットは、「自社ビルを所有している=ハクがつく!」です!

社会的信用というか、『自社ビル!すごいですね〜』という周囲からの評判が良くなることがあります。

終わりに | 自社ビル | デメリット

今回は自社ビル管理担当としての経験をもとに、自社ビルを所有することのデメリットをまとめました。

少し前までは、「自社ビル!すごい!」とか、自社ビルで家賃収入を得ることを目標としていた経営者の方もいらっしゃいました。

ただ、新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークが浸透したり、オフィスの考え方も一変したり、何よりも、時代の流れが早いので自社ビルを所有して身動きが取りにくくなることも大きなデメリットです。

ほぞ

賃貸の方が引っ越しなども手軽にできますし、サテライトオフィスを利用しながら便利なところで転々と仕事をすることも効率が良くていいですね。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!