この記事を読んでほしい人 | 入居審査 | 実例
- ビルの入居審査がどこを見ているか知りたい
- ビルの入居審査に落ちた!なんで?
という方に向けて、ビルオーナー側の担当者としての入居審査の実例をまとめました。
結論から言うと、入居審査には特に明確な基準などが無いケースも多いです。
目次 | ビル | 入居審査 | 実例
当時は担当として、悲しい気持ちになった事例も含まれますが、フフっと笑ってくれれば嬉しいです。
審査基準は雰囲気 | ビル | 入居審査 | 実例
「入居審査」というと決算書や事業計画書をしっかりと確認し、明確な規定のもと決まるイメージがありますが、実のところは役員など決裁者の独断と偏見で決まります。
「会社は利益を追い求めるもの」という原則からかけ離れることもあり、担当としてはジレンマを感じるときも多いです。
もし、ビルの入居審査でお断りを受けてしまっても、深く考えないで次の物件を探しましょう。
実例 | ビル | 入居審査 | 実例
ここからは、私が実際に目の当たりにしたトンデモ入居審査の実例を挙げております。 繰り返しになりますが、全て実例です。
「もったいない・・・」と思うケースばかりですが、お気軽にお読みください!
同業種だからNG | ビル | 入居審査 | 実例
すでに入居している企業さんと同じ業種だからと、勝手な判断でお断りをしたこともあります。
業界によっては不文律などがある場合もありますが、このケースは同業種=絶対NG!という思い込みで、話も聞かずに断りました・・
後から、既に入居している企業の担当者にこっそり聞いてみましたが、
「業界の中でもターゲット層が少し異なり、マイナスには働かないので問題ないですよ」と聞かされて、やるせなくなりました。。。
同業種でも一緒にプロジェクトを始めたり、ビルが同じことで取引が始まることもありますので、普段から円滑な関係を築き、どんなことも気軽に相談できるとベストだと思います。
飲食ビルの場合は、ジャンルが偏っていたりするとビル全体のブランディングなどにも関わってくるので、ジャンルや価格帯などで、ふるいにかけるケースも見受けられます。
海外法人だからNG | ビル | 入居審査 | 実例
長期間、空室になってしまっている区画へのリーシングでしたが、「海外法人だから」という理由で断られたこともあります。
- 契約書はどうなる
- 請求書は海外に送るのか
- 万が一滞納があった時は
- 万が一トラブルになった時は
- 英語を話せるスタッフがいない
上記の理由にて残念ながらお断りをさせていただきました(泣)
上記についての対策としては
- しっかり日本語の契約書で締結
- 契約書の中で管轄裁判所を日本の裁判所に指定
- 準拠法を日本国憲法と明記
等を明記することで対応できると考えたのですが、役員を説得することはできませんでした。
人によっては何事も「わからないこと=怖い!」という思考になってしまうことも珍しくありません。このケースも残念ながら入居には至りませんでした。
出戻りだからNG | ビル | 入居審査 | 実例
過去に入居していて10年ほど前に退去しましたが、また戻ってきたいというテナントさんが内見&申し込みを入れてくださったことがありました。
とてもありがたい話で、10年前の退去理由もそこまでネガティブなものでは無かったのですが、
役員の「出戻りを許すなんて、ビルとしてのプライドは無いのか!」
というありがたい一言によりお断りとなりました。
個人的には、収益を上げるのにプライドは不要だと思っています。
聞いたことの無い会社だからNG | ビル | 入居審査 | 実例
こちらはそのままの理由です。
- 聞いたこともない会社
- ホームページも見にくい
- なんとなく大丈夫??
というよくわからない理由で社内が通りませんでした。。
ちなみに、経済産業省によると、日本に中小企業は421万社あるようです。 知らない会社の方が大多数ですよね。。
さらにホームページなんて、お金をかければキレイにできますので、会社の信用度とは関係がないと考えています。
何となくイメージが悪いからNG | ビル | 入居審査 | 実例
当時、ビルの1フロア全体を自社で専有していて、ほとんど稼働していない会議室や倉庫などが勿体無いのでその区画を整理して他社に賃貸しようと動いていた時のことです。
かなりの条件のいい会社さんが候補に挙がりましたが、
- パチンコ屋さん関連
- 先物取引関連
こういった企業さんは、社内の役員の偏見で通りませんでした・・・
当時の役員から言われた理由としては、
- 24時間事務所を使うのではないか
- ビルのイメージが下がるのではないか
- いままでほぼ専用使用だったのに、他社の社員とトイレで会うのは嫌だ
など、、少し理解できないような理由で断られたこともあります。
ただし、「トイレで知らない人と会うのは嫌だ」と言われることは、自社ビルのオーナー会社では割とよくあります。
ビル内に自社の事務所を構えている場合、同一フロア内の区画のみ入居審査時に私情が入ってくるのです。。
収益を上げるためなら、微々たる影響だと考えているのですが・・・
銀行の紹介ならOK | ビル | 入居審査 | 実例
これまでのNG事例ではなく、反対にOK事例についても少し紹介します。
それは、「取引先銀行からの紹介」です。
これまでのNG事例に近い条件でも銀行からの紹介で、さらに社内の役員経由だったりすると社内は通ります。逆に通さざるを得なくなります。
- 多少家賃が安くでも
- 敷金を積めなくても
- 業績が怪しくても
担当としては、役員に忖度してただただ入居の手続きを淡々と進めることになります。
一方で銀行からの紹介で契約し、1年足らずで退去となったこともあります。
銀行から融資を受けていて、業績がよろしくなく救済措置の意味で紹介されているのであれば、長く続かないのは当然のことですよね・・
最後に | ビル | 入居審査 | 実例
上記のように、ビルの入居審査は明確な基準で判断されているわけではありません。
社内で決裁権のある一部の役員などの匙加減一つですので、仮に落ちたとしても気にすることはありません。
縁が無かったと割り切り、次に行きましょう!!
あくまでも個人の経験則です。もちろん、ビル毎に異なる基準やルールで審査をしていると思います。
ビル側の立場でも、仲介・入居者側の立場でも個別の件についてご相談いただくことも可能です。よければぜひお問い合わせくださいね!
こんなこともあるんだな〜と、面白おかしく読んでもらえたらと思います。