この記事を読んで欲しい人 | ビル | 内見 | よくある質問
- オフィスビル、飲食ビルの仲介をしたいけど、お客さんに何を聞かれるか不安
- ビルの内見をしたいけど、どこを見れば良いかわからない
- 不動産管理業界に入ったばっかりです!
上記の方向けに書いています。
目次 |ビル | 内見 | よくある質問
ビルの内見は居住用のアパートやマンションの内見とは大きく異なります。私はビル側の立場ですが、この分野に強い仲介さんは頼もしいですね。
内見時の心得 | ビル | 内見 | よくある質問
突然ですが、お客さんがビルを内見に来るのは何のためでしょうか?
正解は「オフィスや飲食店の開業のため」に内見に来ます。
どこかビルを借りたいと思った時には、まずは不動産仲介業者さんに声をかけます。そこで条件を満たすビルをいくつか絞ります。その条件というのは、
- 立地
- 家賃、敷金などの金銭条件
- 広さ
- 入居可能時期
これらが主な条件です。
仲介業者さんからこの条件を提示され、興味を示した物件のみ見に来られるのです。
わざわざ電車や車を利用して、貴重な時間を割いて見に来られますので、ただ鍵を開けて、なんとなくついていくだけでは失礼だと私は思います。しっかり準備した上で対応する必要があります。
入居後に末長く付き合っていくのはビル側です。仲介さんではありません。
ビル側の担当者が知識と経験を得て、しっかりと内見から入居後まで対応することを大切にしたいものです。
それでは、さっそく聞かれる機会が多いことについて紹介していきます!
天井高 | ビル | 内見 | よくある質問
これは一番把握しておくべき事項だと思います。
募集資料に書いてあります!と言いたくなる気持ちもありますが、
- 実際に見ると印象が異なって見える
- 部屋内で天井の高さが異なる場所がある(梁が走っているなど)
- 飲食店の厨房と客席部分で仕上げが異なる
- 床下のOAフロアも含んだ高さを確認したい
などの理由もあり、現地でよく聞かれます。そんな時に即答できないのはよくないので、数字を覚えておくか、もしくはレーザー測定器などでささっと測定して答えてもいいと思います。
これは私が実際に使用していますが、コンパクトなのでいい感じです。
用途 | ビル | 内見 | よくある質問
今の用途に募集区画の用途については募集資料に記載してあることが多いと思いますが、用途変更ができるかどうかについて聞かれることがあります。
- ビルとして用途変更可能か
- できない場合はどのような措置が必要か
これらは、ある程度説明できるといいと思います。
オフィスビルでも、路面であれば物販や飲食店への用途変更や、飲食フロアへのスポージム希望などを過去に受けたことがあります。
用途についてはビルにより状況が異なります。
設計会社さんなどにご相談の上、説明することが必要です。
床荷重 | ビル | 内見 | よくある質問
オフィス、飲食ともに重たいものを設置したいという要望が出ることがあります。
- オフィス区画でよく設置される重量物
- 金庫
- サーバーラック など
- 飲食区画でよく設置される重量物
- 水槽
- 厨房機器 など
上記のように、オフィス、飲食どちらにおいても重量物の設置の可能性があります。
ビルのスラブ上の耐荷重だけでなく、OAフロア上の耐荷重についても把握しておきましょう。
一般的にOAフロア上の方が耐荷重は低いはずです。
もし耐荷重よりも重いものを設置しなければならない場合は、薄い鉄板などを敷いて荷重を分散することも必要です。詳細は設計会社などに相談しましょう。
交通アクセス | ビル | 内見 | よくある質問
電車の所要時間や、最寄駅などは調べればわかります。ただ、
- 通勤時間帯の混雑具合
- 近隣の主要駅からの乗り換え状況
- 雨の日に濡れずにこれるルートがあるか
- 車の場合の渋滞状況
などは、ビルの利用者や管理者からの目線での説明ができると説得力が増すと思います。
ラッシュの時の込み具合など、検索しても出てこないことを追加で説明できるといいですね!
周辺環境 | ビル | 内見 | よくある質問
企業によって重視するポイントは異なりますが、ビルを利用していて周辺施設でよく利用するものや便利なスポットを説明できるといいと思います。
- 郵便局や金融機関
- ランチでよく行くところ
- 仕事帰りによく寄るスポット
- 会食や商談に利用する飲食店
ビルに入居後の利用状況をイメージさせることができるといいと思います。
普段からビル内だけでなくビルの周辺にも出かけたりと、内見時にアピールできるポイントなどは意識しておくといいと思います。視野を広げましょう!!
館内環境 | ビル | 内見 | よくある質問
契約する専有部だけでなく、ビルの共用部などの説明も行います。
- 飲食スペース
- 駐車場
- 荷捌き場
- 貸し会議室
- 防災センター
- 物販エリア など
など、アピールポイントがあれば積極的に説明します。他のビルとの差別化を狙うには、ここのアピールが非常に大きいと思います。
いくつか挙げてみて、お客さんが興味を示したものを実際案内していくのもいいと思います。
電源増設の可否 | ビル | 内見 | よくある質問
オフィスでも飲食でも、すでに割り当てられた電源では足りないので電源の増設を希望されるケースがよくあります。
その時にビルとしての明確な基準を説明できると、話も早くて好印象です。
一般的には、ビルの指定業者によるB工事となることが多いです。
ビル全体の電気などの空き状況などもある程度把握して内見に臨みましょう!
搬入動線 | ビル | 内見 | よくある質問
業種によりますが、搬入用駐車場(荷捌きスペース)から、搬入用エレベーターの動線について重視するお客さんもいらっしゃいます。
- アパレル関係
- 物品倉庫
- 展示会などを実施する業種
などはいくら専有部の条件が良くても、搬入の条件を満たさないと成約には至らないこともあります。
- 搬入可能なトラックの高さ
- トラックの重量
- 台車通用の際の段差
- 開口部の幅、高さ
- エレベーター寸法
などは、ある程度把握しておきます。
搬入時のビル側ルールも明確にしておきましょう。また、養生のルールなどあれば、先に説明しておくとトラブル防止になります。
セキュリティ | ビル | 内見 | よくある質問
ビル全体でセキュリティシステムを導入している場合は先に説明します。
IT系の企業や、大規模テナントは自社内で独自にセキュリティシステムを導入するケースも多いです。一方、ビルの営業時間が決まっている場合、夜間の入館にはビル側のセキュリティカードなどを利用してもらう必要もあります。
ビル側でのセキュリティとテナントで導入するセキュリティの責任分岐なども気にされる企業さんが多い印象です。
終わりに | ビル | 内見 | よくある質問
1日に何件も見てまわることがある内見。正直、結構疲れます。
ただ、企業の担当者(時には社長さん)は資料では見えない、現場の雰囲気を見に来られます。
上記の内容をしっかりと頭に入れた状態で、ゆとりを持って対応するといい結果につながると思います。
余談ですが、眺望を気に入られた社長さんがその場で即決してくれたり、案内の対応に満足していただいて決めていただいたこともありました。
体感では内見からの成約率は2〜3割程度ですが、1件1件を大切にしたいですね。最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!
私は飲食・オフィスの複合ビル管理歴10数年。数多くの内見対応をしてきた経験からまとめています。