この記事を読んで欲しい人 | ビル管理 | クレーム対応
この記事は、
- ビルの管理会社で多いクレームの対処法を知りたい!
- ビル管理会社に入社します。なにか準備できることはある?
- 不動産管理会社に興味ある!
上記の方に向けて書いています。
目次 | ビル管理 | クレーム対応
不動産管理業、10年以上の経験からまとめていきます。オフィスビルでのクレーム処理を想定してまとめました。
クレーム処理の心得 | ビル管理 | クレーム対応
本題に入る前に、クレーム対応の時に必要な心得について少し触れたいと思います。
「クレーム=怒られる=怖い!」というイメージもあると思いますが、決してそんなことはありません。
まずはひたすら聞く | ビル管理 | クレーム対応
当たり前ですが電話でも対面でもメールでも、クレームを受けるといい気持ちはしません。
話の流れ的にクレームだ!と察した瞬間にすぐ反論して論破しようとしたり、解決策を即座に提案してしまう人を見かけますが、それは正しい対処法ではありません。
まずは聞き役に徹して、相手の話をひたすら聞きましょう。
もし相手が感情的に怒っていたとしても、人間が怒り続けられる時間は5分程度です。心の中で反論があっても相手の話を遮ってはいけません。まずはひたすらに聞くことが大切です。
相手が何を求めているかを探ること | ビル管理 | クレーム対応
クレームを言っている人も、好きで言っているわけではありません。何か原因があり困っていることがほとんどです。
まずは相手の話の中からその困っている課題を見つけ出して、そこに向かって一緒に解決していく姿勢を見せることができれば理想です。
クレームを言われていると、自分が責められていると錯覚してしまいますが、言っている方は「困っている」のです。
人ごとになりすぎるのも良くないですが、時として客観的に見られるといいと思います。
自分を好きになってもらう | ビル管理 | クレーム対応
社会に出て思うことは、「何をいうか」よりも「誰が言っているのか」の方が大切であるということです。
話している内容が同じであっても、自分自身の信用がないと相手には響きません。
一見すると遠回りのようであっても、まずは自分自身を信用してもらうことを大切に対応していきましょう!
これらの基本的な心得を理解した上で、ビル管理でよくあるクレームと対処法についてまとめていきます。
他の階から入ってくる | ビル管理 | クレーム対応
共用部のトイレや休憩スペースがある場合、他のフロアから階段などで移動してくるケースがあります。その理由としては
- トイレが混んでいたから
- 自社の人とあまり会いたくないから
などが考えられます。
基本的には「共用部なのでみなさんで譲り合ってご利用ください」と案内しますが、1フロアを一社で専有している場合などはセキュリティ上の理由などで嫌がる気持ちも理解できます。
一番に取り組むべき対応としては、ビル内向けのお知らせや、階段などへの張り紙での周知から行うことが多いです。
ただし、そこまでの効き目がないことも。
このような時に私が良くやるのは、階段室から該当階へ入る扉への鍵かけです。
- 廊下から階段室へは通行可能
- 階段室から廊下へは暗証番号(そのフロアのテナントへのみ案内)
これである程度の効果はありますし、何よりクレームを行ってきた担当者への「対応していますアピール」になります。
しかし、わざわざエレベーターで来てしまう人は止められません。一方で、共用部は他者の立ち入りを制限するにも限界がある点は説明して理解してもらわないといけないと思います。
避難通路、避難方向によっては施錠してはいけない扉もあります。ビルの構造、避難経路ともに確認してご検討ください。
私の管理しているビルで使用している鍵はこちら。
暗証番号も変えられますし、なにより丈夫です。JRの駅でも似たようなものを見かけますね。
トイレットペーパーが紛失 | ビル管理 | クレーム対応
トイレットペーパーを持ち去ってしまう人は残念ながら結構います。
経済的に厳しいのか、ゲーム感覚なのか。
トイレの各個室に置いてある交換用の予備を持っていくことが多いですが、トイレにはカメラをつけるわけにはいかないので、なかなか難しいですね。
トイレットペーパーは1つ数十円ですが、ビルが大きいとかなりの数が紛失します。月や年間で計算すると見過ごせない金額になってきます。
対策については業務の中で色々考えましたが、鍵付きのトイレットペーパーホルダーを導入することが一番効果がありました。
耐久性を考えるとやはりステンレス製が長持ちします。
安く抑えたい!という場合はプラスチック製もあります。
鍵の部分もプラスチックなので、操作する時には注意が必要です。
ペーパーの補充は毎日のことなので、劣化も早かったりします。
トイレに物置が欲しい | ビル管理 | クレーム対応
最近のビルでは標準仕様になってきていますが、トイレに物置やロッカーを要望されることが増えてきています。
男性陣にはピンとこないかもしれませんが、トイレに化粧ポーチなどを持っていくことのある女性にとってはかなり重要です。
一方でトイレにロッカーを設置する際の注意点として以下の点が考えられます。
- 利用者にトイレは共用部であることの再確認
- 盗難などの際の責任は負わない旨の取り決め
- 定期的に荷物を空にするなどして、所有者不明の残置物が出ないようにする
などの注意が必要です。ロッカーについては後付けすることも可能です。
紛失時の管理などを考えると、鍵は無い方がいいです。
ダイヤル錠で管理できるものがおすすめ!
音がうるさい | ビル管理 | クレーム対応
- 同じフロアのお隣からの騒音がうるさい
- 上の階の足音や物を落とす音がうるさい
など、周辺からの音クレームは度々起こります。
ビルはイメージほど防音がしっかりしているわけではないので、よくあることだと思っておいた方がいいです。
一度、空室を利用して上階でジャンプして下階で聞いてみたことがありますが、予想以上に聞こえたのでビックリしました。
騒音クレームの対処法はただ一つ、「気をつけてもらう」しかありません。
ただ、ビル側としては何もしないわけにはいかないので、騒音の原因と、床や壁の躯体を少しでも離したり、クッション性のあるものを入れることくらいは可能です。
Pタイルよりも、タイルカーペットの方が下階への音は聞こえにくくなります。
キャビネットや金庫などの開け閉めの音も指摘されることがあります。
音の原因となっている金庫やキャビネットの下に敷いたり、壁と接している場合はそこに入れるだけでかなりの改善が見られます。
セキュリティを強化したい・鍵をつけたい | ビル管理 | クレーム対応
テナント専有部内の鍵については基本的にテナント負担でつけてもらうことが多いです。
しかし、既存の扉を大規模に工事したりすると原状回復工事が必要になったり、テナント側であまり予算がなかったりとさまざまな制約があります。
最近ではスマホと連動したスマートロックがありますので、そちらをお勧めしています。
火災などの災害時にはビルのマスターキーで立ち入ることもあります。
後付けのスマートキーであれば既存のマスターキーを使用可能なままでテナント側で鍵を管理できるのでおすすめです。
終わりに | ビル管理 | クレーム対応
ビルは異なる会社の社員さんで共同で使用する物なので、クレームはつきものです。
全てを完璧に解決することはできなくても、しっかりと対応する姿勢を見せることで信頼関係を気づいていくこともできます。
クレームは嫌なものと捉えずに、誠意を持って対応していきましょう。
結果的に、テナントさんから信頼されるとその後の仕事もやりやすいですよ!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!
実務の中でのよくあるクレームと、主な対処法についてまとめました。