この記事を読んで欲しい人 | ビル管理 | 与信調査
この記事は
- オフィスビルを管理しているが、入居テナントの与信が気になる
- 入居希望者はいるが、将来的な支払い能力が不安
- 滞納するような入居者は入れたくない!
上記の悩みを持つ方に向けて書いています!
もくじ | ビル管理 | 与信調査
私自身の、ビル管理会社・ビルオーナー担当としての経験からまとめます。
下手に滞納される入居者を入れると、『空室のままの方が良かった』と後悔することになります。そうならないようにもしっかり準備しましょう!
そもそも『与信』とは | ビル管理 | 与信調査
与信とは、相手に対して「信用があるかどうか」の判断基準のことです。与信=信用を与えることを指します。
ビル経営における実務の中では、
- 入居者の支払い能力(現金)があるか
- 会社の事業に継続性があるか、事業を継続していくうえで大きな問題がないか
これらを確認します。
与信調査をおろそかにしてしまうと、支払いが遅れたり、未払いがたまってしまい、最悪夜逃げしてしまうと大変な損害になります。
与信調査の具体的方法とは | ビル管理 | 与信調査
与信調査と言っても、具体的には何をすればいいの?
ここからは具体的な方法を順に説明していきます!
ホームページの確認 | 具体的方法 | ビル管理 | 与信調査
一番簡単にできる調査として、まずはその会社のホームページを確認します。確認すべき点は
- 事業内容
- 従業員数
- 主要取引先
- 取引先銀行
- 主な実績など
これらを確認して、大きな問題がないかどうかを見ます。
私は以前、HPで出てきた取引先銀行と自分の会社の取引先銀行・支店が同じ場合に資金繰りなどにおいて大きなトラブルなどがないかを銀行の担当者に聞いたこともあります。
ホームページが綺麗!というのはあまり評価基準にはなりません。お金をかければホームページの見た目を綺麗にすることはできますし、ホームページからの集客をメインにしない場合はそこまで作り込んでいない会社も多いです。
- 事業の立ち上げがこれからの場合
- そもそもHPを作っていない場合 残念ながらこれらに該当する場合は調べられません。
別のビルに入居中の場合は見に行く | 具体的方法 | ビル管理 | 与信調査
すでに別の場所で経営していて、そこからの移転を希望している場合は今の事業所を見に行くことも必要です。実際に見にいった時の体験談として、
- オフィスビルと聞いていたが、ただのマンションであった。
- 共用部の使い方が荒かった
- 聞いていた内容とビルの使い方が異なっていた
など、入居してからトラブルになりそうな予兆を先に確認できたこともありました。
反対に、
- ショールームとして営業し、非常に繁盛していた
- 綺麗な内装で印象がいい営業をしていた!
などで好印象であったこともありました。
やはり実際に現地を見ることで見えてくることも多くあります。
信用調査会社を活用 | 具体的方法 | ビル管理 | 与信調査
- 帝国データバンク
- 商工リサーチ
など、信用調査会社を活用することも一つの手です。
ただし、あくまでも一つの目安ですので参考程度に止めるのがいいと思います。
以前、上記の調査会社で自分が勤めている会社の調査を依頼したことがあります。
当たっている点も多いですが情報が古い点もあり、まずまずと言った印象です。
なお、サービスによって料金がかかります、依頼する会社やその内容によって異なります。
個人・新規開業の場合 | 具体的方法 | ビル管理 | 与信調査
でも、これから新しく会社を立ち上げる場合や、個人の場合はどうしたら??
そうですね。その場合はこれまで紹介した方法は使えません!
実は、これから新しく会社を始める場合は決算書もありません。
また、デイトレーダーなどで稼いでいる場合、経歴上は無職の扱いとなることもあります。
明確な基準は会社によって異なりますが、役員や決裁者が難色を示すことも多いです。
実際に、デイトレーダーとしても稼いでいる社長さんに収支を見せてもらったことがありますが、すごかったです・・・
与信調査に不安がある場合の対策 | 具体的方法 | ビル管理 | 与信調査
それでは、これまで紹介した方法で少し難があると判断された場合の対策を紹介します。
実際には、「信用、問題なし!ぜひご入居を!」という入居者さんはなかなか現れなかったりします。「ビルの空室を埋めたいけども、申し込みを入れてくれた企業さんの与信調査の結果がいまいち。。どうしたら…」
そこで、これから紹介する対策を講じる場面です!
募集している立場としては、空室のままよりは入居して欲しいですよね。
せっかく希望者が現れたのに、与信でNG・・・となってしまうと勿体無いので、下記の対策を参考にしてください!
私も実務でよくやっています。
敷金、保証金多めに | 対策 | ビル管理 | 与信調査
入居してからのトラブルや滞納対策のための敷金、保証金を多めに入れてもらうことは有効です。
実務において一番一般的な手法ではないでしょうか。
ただし、与信がよくない(=お金がない)相手に対して、お金を多く預けてくれと言うのは矛盾していると言われたこともありますが…
定期建物賃貸借契約で締結 | 対策 | ビル管理 | 与信調査
一般的な普通借家契約ではなく、期間の定めのある定借契約での契約も有効です。
1年や2年間といった短期間で賃貸借契約を締結することで、期間中に滞納やその他のトラブルがあっても、賃貸借の期間を決めておくことで損害をある程度コントロールすることができます。
もちろん、滞納などがない入居者さんであれば契約終了時に再契約することも可能です。
定借です!というと、入居者さんの中には「追い出されちゃうの!?」と不安に思う方もいるようです。そんな方には期間中に大きなトラブルがなければ、次の契約は普通借で結びます!などの基準を明確にしてあげることは大切ですね。
定借についてまとめた記事も是非!
保証会社も検討 | 対策 | ビル管理 | 与信調査
賃貸借契約の際には個人、法人問わずに保証会社を入れることもできます。
- 家賃の未払い
- 退去時の原状回復費用
- 入居中のトラブル費用など
これらの未収金が発生してしまった場合も保証会社を入れておくことで担保することができます。
入居から退去までにかかる費用は様々ですが、対象範囲は保証会社によって異なります。
終わりに | ビル管理 | 与信調査
不動産経営にとって一番嫌なのは空室。かと言って入居しているのに賃料を支払わなかったり問題行動をおこしたりして迷惑をかける入居者も困ります。
不動産仲介業者さんはある意味、決めたら終わり。
一方でその後も末長く対応していくのはオーナー、管理会社です。
しっかり準備して、トラブルを未然に伏せきたいものですね!
入り口での審査をしっかりしたうえで、健全な不動産経営をしていきましょう。最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!
家賃を滞納するような入居者を入れてしまうと、その後が大変です。