この記事を読んで欲しい人 | 不動産投資 | リスク | デメリット
この記事は
- 不動産投資に興味があるけど、何をやれば良いかがわからない。
- 不動産投資に興味がある!
- 不動産投資って安全?
こんな方向けに書いています。
もくじ | 不動産投資 | リスク | デメリット

不動産投資に興味のある方、周到な準備と冷静な判断力はありますでしょうか?
この記事を読み、一度確認してみてください。
想定利回りは幻想 | 不動産投資 | リスク | デメリット
投資用不動産がネットでも簡単に検索できる時代です。
そのため、非常に不動産投資が身近に感じられると思います。
そんな中、ネットで検索すると出てくる物件価格と「想定利回り」
中には10%超えの物件もあり、10年で回収できる!!と安易に考えてしまう方がいないか、
個人的にはすごく心配です。

魅力的に見える「想定利回り」
落とし穴がたくさんありますので、順にまとめていきます。
満室時の想定 | 不動産投資 | リスク | デメリット

想定利回りを計算する際の収入額は、満室時の賃料をもとに計算しています。
仮に今は空室がある物件でも、満室になった場合を想定して計算しているケースがあります。
このご時世、満室で稼働しているアパートは数少ないです。
よっぽど立地が良くなければ満室で長期間維持し続けるのは難しいです。
ちなみに、総務省統計局によると、日本全体の空家率は13%を超えるようです。
例えば8戸のアパートで1部屋空室になっただけで約13%になります。
もし2部屋空いてしまうと単純計算で26%

私には、ネットに出ている空室の数だけオーナーさんが悲鳴をあげているように見えます。(少し言い過ぎでしょうか)
賃料の下落を反映していない | 不動産投資 | リスク | デメリット
想定利回りに計算する賃料は、今の賃料でずっと継続していく前提で計算しています。
個人的にはこれはかなり危険だと思っていて、将来的にもし空室が発生した場合は値下げして募集することもありますし、入居者からも減額の交渉をされる可能性もあります。

ひどい場合は、想定賃料を計算するときに今よりも高い賃料で契約したと仮定して計算するケースもあるようです。
税金、管理費を想定していない | 不動産投資 | リスク | デメリット

不動産投資では無事に収益を上げることができても、その収益に応じて税金がかかります。
固定資産税など複数の税金について、初めの利回り計算の時にしっかり見込んでおくことが必要です。
また、入居者の対応やクレーム処理のために管理会社に委託する場合、
- アパートの場合 賃料共益費の3%~8%
- 戸建て、区分マンションの場合5,000円程度
おおよそこれらの金額が管理委託費として毎月必要です。

マンションの組合に払う「管理費」と混乱しがちですが、別でかかりますので注意しましょう。
いい物件は個人には降りて来ない | 不動産投資 | リスク | デメリット

投資用のマンションを探そう!と思ったらまずはネットで検索すると思います。
ただ、本当にいい物件はネットで掲載される前に不動産業者さんが取引先に水面下で打診するか、自社で取得してしまうことも多いです。
仲介業者さんは早く契約をして手数料を稼ぎたいのです。初めて会う人や不動産を初めて買う人と0から話を進めて、もしローンが通らなかったら契約は初めからやり直し・・・
そのリスクを考えたら、すでに付き合いのある大家さん中心に買ってくれそうな(お金のある)人に声をかけるのは自然なことですよね。

珍しくネットに出たとしてもいい物件は一瞬で消えたりしますので、なかなか厳しいです。。
建物の劣化リスク | 不動産投資 | リスク | デメリット

建物は建てた瞬間から劣化していきます。経年劣化に加えて台風や大雨、地震などの災害が発生した際の修繕も必要になります。
そういった修繕費用は予測が立ちにくいです。
対策としては余裕を持った資金計画を立てておく。できることはこのくらいでしょうか。

特に漏水は原因がなかなか分からなかったり、長期化することもあったりするので厄介なものです。
自然には敵いません。
流動性が低い | 不動動産投資 | リスク | デメリット
不動産はその性質上、すぐに現金化ができません。
仮に投資の方向転換を決断し、持っている土地や建物を現金にすると仮定します。
株式投資などは市場が開いていれば、早ければ10秒以内に現金化できます。
一方の不動産は、仲介業者さんに依頼して買主が見つかるまでは時間がかかります。
さらにそこから金額交渉が入ることはよくあるので、なかなか思うように現金化ができないのが大きなデメリットです。

さらに、こちらが売り急いでいると足元を見られて安くなる買い叩かれます。
出口戦略が立てにくい | 不動産投資 | リスク | デメリット
先ほどの流動性とも少しかさなる部分は多いですが、不動産を購入して最後の最後にどうしたいかを考えると、選択肢は限られます。例をあげると、
- 買った金額よりさらに高く売る
- 物件が古くなったら建て替えて運用
- 古くなったら解体して駐車場として運用
これらは一例ですが、長期的に考えておかないとババ抜きになります。

上記の出口戦略の選択肢も、基本的に立地が良くないと厳しいですし、少し極端な例ですがリゾートマンション投資などは現代版ババ抜きだと本気で思っています。
入居者リスク | 不動産投資 | リスク | デメリット

少し失礼な言い方になってしまいますが、アパート投資をする場合、ほんのひと握りの訳ありの入居者を抱えてしまうと、それだけでかなりの悪影響が出ることがあります。
アパートの管理会社に勤めていたことがありますが、残念ながら確率の問題で、一定数そういった方がいます。一例を挙げると、
- 夜逃げ
- 滞納
- クレーマー
- 退去時の原状回復トラブル
などがあります。
夜逃げや滞納はすぐイメージが湧くと思います。
クレーム処理も、そのクレーム対応のために家賃以上の出費がかかることもあります。
退去の時にお部屋の中の使い方が荒く、工事に2ヶ月〜半年程度かかってしまうとその期間の賃料は見込めないので、損失になりますね。

退去された方がペットを飼っていて、柱や床をボロボロにされてしまい、匂いが取れずに半年かけて工事したこともあります。工事費用は退去者に請求できても、空室期間中の賃料は請求できませんので大損害でした。
管理会社も味方ではない | 不動産投資 | リスク | デメリット
入居者対応や空室の募集などを管理会社に委託することがほとんどだと思います。
しかし、残念なことに管理会社側もオーナーさんの味方というわけではありません。
不動産仲介業者さんは新規の賃貸借契約を締結した時の仲介手数料で儲けています。
極端に言えば、数ヶ月で入居者がどんどん退去して、どんどん入居してくれればそれが一番儲かるわけです。
不動産管理会社さんは毎月の管理委託費だけでなく、原状回復工事や、建物全体の改修工事で儲けています。
原状回復工事で半年入居者が決められなくても、その分工事費が高額になれば儲かりますし、外壁塗装や屋上防水工事などを発注してもらうことが最優先事項です。

管理会社のオーナー担当として仕事をしていましたが、本来知るべきオーサーさんの借り入れ金額や毎月の収支などを全く把握していませんでした。
知っているのは建物の築年数と次に提案する工事項目だけ。
終わりに | 不動産投資 | リスク | デメリット
新型コロナウイルスの影響などで、将来の不安や働き方に対しての意識が変わり、不動産投資に対しての注目が高まっていると感じます。
誰でも儲かる!のような広告を見ることも多くなりましたが、不動産の仲介会社は売った時の手数料で儲けています。
その後、儲かろうが赤字になろうが、仲介業者さんは責任を取ってくれません。
将来についての準備と下調べなどをしっかりした上で、大切な資産の運用方法を検討したいですね。

不動産管理会社の時に、人に流されて投資し後悔しているオーナーさんをたくさん見てきました。
不動産投資で成功するのに必要なものはかなりの覚悟と周到な準備と、あとは運かと思います。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!
不動産管理会社やビル管理歴10数年以上の経験から、実務を通じて得た経験からまとめます。