この記事を読んで欲しい人 | 不動産管理 | 必要工事
この記事は
- 建物を長持ちさせる工事はどんなものが必要?という疑問をお持ちの方
- 管理会社に勤務しているが、工事の種類が知りたい方
- 工事金額のノルマが足りない。。という管理会社の方
上記の方の疑問や悩みを解決すべくまとめました!
主にアパートなどの居住用、室内リノベーションをまとめた記事はこちら!
もくじ | 不動産管理 | 必要工事
- 外壁塗装
- 共用部分床改修
- 屋上防水
- 鉄部塗装
- 給水ポンプ交換
- 給水管更新
- 受水槽から増圧給水へ
- 受水槽交換
- 排水管更新
- エレベーターリニューアル
- エスカレーターリニューアル
- 消防関係
- 駐車場関係
- 駐輪場関係
- 電気設備更新
- 終わりに
もちろんこれがすべてではありませんし、反対に建物の規模によっては無い設備もあります。
物件の規模や用途などで異なりますので、参考にしてください。
外壁塗装 | 不動産管理 | 必要工事
当たり前ですが建物の外壁は雨ざらしです。
汚れもつきますし、年数が経つと外壁継ぎ目のコーキングが劣化して漏水の原因になります。
外壁が綺麗だと募集の入居者さんの募集の時にも有利ですし、漏水して被害が出てしまう前に定期的に塗装を実施していきたいですね。
外壁が劣化してくると、手で触った時に手につく『チョーキング』という症状が見られます。劣化のサインの一つです。
共用部分床改修 | 不動産管理 | 必要工事
外壁と同じように廊下も雨ざらしです。
廊下が汚いと空室の案内の時に印象も悪いですし、今住んでいる入居者の退去の原因になる可能性もあります。
さらに、汚い物件はゴミの放置が増えたりと、治安も悪くなってくることが多いです。
屋上防水 | 不動産管理 | 必要工事
外壁や共用部ほど目につきませんが、屋上の防水も定期的な改修工事が必要です。
屋根の形状や防水の仕様にもよりますが、屋上が陸屋根の場合は排水詰まりで屋上がプールになりやすいので、日頃からの注意が必要です。
「陸屋根」
屋根の形状の一つで、傾斜の無い平面状の屋根のこと。平屋根(ひらやね)ともいいます。「陸」とは水平、平坦を表す意味です。屋上施設設やヘリポートを設置できることからビル、マンションなどの高層建築に多く見られます。一般住宅でもシンプルな意匠や屋上に家庭菜園を作るために採用する例もあります。また、豪雪地帯では落雪事故を防ぐため、鉄筋コンクリート構造で陸屋根を採用する住宅が増えていると言われてます。
https://www.homes.co.jp/
「屋上プール」管理物件で稀にありますが、あれは血の気が引きますね。。
鉄部塗装 | 不動産管理 | 必要工事
これまで紹介した、外部工事と一緒に実施することが多いのが鉄部塗装です。工事を実施する際には、共通して
- 養生費
- 足場
などがかかります。
基本的に上記の2つの項目は屋上防水工事や外壁改修をするにも必要な工事で、両方を同時に実施することで費用を節約することが可能です。
さらに鉄部塗装についても、全く別で段取りしても上記の費用はかかってくるわけで、同時に実施した方が経済的です。
匂いや騒音など、ご近所への迷惑を考えても一緒にまとめて実施した方がいい場合も多いです。
上記の理由づけは管理会社側の営業トークでよく使います。
もちろん予算との相談ではありますが、経験上せっかく足場をかける場合は一緒に実施できるといいですね!
給水ポンプ交換 | 不動産管理 | 必要工事
建物の規模によりますが、飲み水を各区画に給水するためのポンプを定期的に交換する必要があります。
万が一ポンプが壊れてしまうと水が出なくなってしまい、人命に関わります。
お金はかかりますが、完璧に壊れてしまう前に対策しましょう。
受水槽に一旦水を貯める仕様の場合は、ポンプが2台ある場合が多いです。
ポンプの劣化が進んでくると異音がしたり、振動が増えたりします。
ポンプが完全に壊れてしまうと、手配まで数ヶ月かかります。その間断水してしまうと大変なことになります。
給水管更新 | 不動産管理 | 必要工事
ポンプと同様に、給水管も更新が必要です。
給水管の内部には常に配管内に水があります。古くなると赤水が出たり臭いがしたりします。
ちなみに、給水管の劣化判断については継ぎ目からの漏水が一つのサインです。
ただ、給水管の一番太い縦管は壁の中に入っていたり、結露防止の保温材に包まれていて普段目に見えないことも多いです。
給水管更新の場合はなるべく早く断水しないように今の管の隣などに管を新設して、断水時間をなるべく短くするように手配したりします。
受水槽から増圧給水へ変更 | 不動産管理 | 必要工事
受水槽が敷地内にある物件の場合、年に1回受水槽清掃を手配する必要があります。
もちろん清掃にはお金もかかり、毎年手配する手間もあります。
対策として、増圧ポンプに交換して受水槽を撤去してしまう選択肢もあります。(周辺の環境次第ですが)
- メリット
- 毎年の清掃の手間が省ける
- 清掃費も省ける
- デメリット
- 費用は高額
- ポンプ交換の際には断水する
- 周辺が断水したら物件も断水する
ただし、物件への引き込み給水管の口径や水圧などにより、引き込めない場合もあります。業者さんに相談しましょう。
私は受水槽のポンプが劣化して故障しそうな時にまとめて増圧給水ポンプへ変更したことがあります。規模としては3階建ての小規模アパートでした。
(水圧によっては最上階まで届かないこともあります。)
受水槽更新 | 不動産管理 | 必要工事
敷地内や屋上に設置されている受水槽もずっと使用できるものではありません。定期的に交換する必要があります。
屋外にある場合は雨ざらしで直射日光も浴びているので劣化が早いです。
- 表面がささくれ立ってくる
- 水漏れが増える
これらが劣化のサインです。
万が一壊れると、発注から納品まで時間がかかるので大変です。
東日本大震災の時は何箇所か破損して大変だった記憶があります。
排水管更新 | 不動産管理 | 必要工事
給水管と同様に排水管も更新が必要です。
給水管と異なり中からの圧力はそこまでかかっていませんが、破損や水漏れした場合は汚水を垂れ流すことになりますので被害が大きいです。
高圧洗浄によっても配管にダメージが蓄積するという考え方もあります。
細かいオーナーさんに排水管高圧洗浄を提案した時、高圧洗浄での配管破損について細かく聞かれたことは今でもよく覚えています。。。
(色々調べて、非常に勉強になりました)
エレベーターメンテ | 不動産管理 | 必要工事
エレベーターも、定期的にリニューアルが必要です。保守契約を締結していることがほとんどですが、その種類として
- POG(パーツ、オイル、グリス)契約
- フルメンテナンス契約
の2種類があります。
前者のPOG契約は消耗品のみ契約内。
後者のフルメンテはほぼ全ての部品交換が契約に含まれています。
しかし、リニューアルはどちらも契約外なので数十年に一度、実施する必要があります。
基盤などの制御系統のみのリニューアルと、カゴの中の意匠なども交換するリニューアルなど、どこまでやるかで金額が大きく変わります。
エスカレーターリニューアル | 不動産管理 | 必要工事
エスカレーターも定期的に駆動部などの更新が必要です。
エレベーター同様ですが、日本のどこかで事故があると、その度に安全装置などの追加が求められます。
エスカレーターとエレベーターはどちらも似たようなものと考えられがちですが、エスカレーターの方がメンテにかかる金額も輸送能力も桁違いに高いです。
子供の事故や挟み込みなどもあるので、事故が起きるたびに再発防止の法改正があるイメージです。
かなり大規模なビルや商業施設でないと設置されていませんが、想定外の出費がかなりかかるのがエスカレーターです。
消防関係設備 | 不動産管理 | 必要工事
おおよそ9階建て以上ののビルになってくると、さまざまな消防設備が必要になってきます。
- スプリンクラー
- 消火栓
- 煙感知器
- 非常警報
- 非常照明
上記はほんの一例です。
消防設備の不備は災害時に人命に関わりますので、優先度を上げて工事していく必要があります。
業者さんからの点検などで劣化の診断が下りたらどんどん検討していきたいですね。
また、直接故障していなくても法改正により交換しなくてはいけなくなることもあります。
大きな災害や事故があるたびに厳しくなっていきます。仕方のないことですが・・・
駐車場関係 | 不動産管理 | 必要工事
駐車場、特に機械式駐車場は想定外の費用がかかります。
- 大雨の前は下段の車が出せなくなるので事前対策が必要
- 台風、大雨などで故障して、緊急対応
- 他の物件で事故があり、法改正
などを経験しました。
特に法改正が厄介です。
以前、お子さんが挟まれる事故が発生した時は行政から緊急点検と安全装置の義務化があり、かなりの費用が必要になりました。
明らかに常識はずれな使用方法をしたせいで事故が起き、そのせいで全国の同じような機種を使用しているビルオーナーが対応しなければならないのは納得行かないですが、そのようなこともたまにあります。。
駐輪場関係 | 不動産管理 | 必要工事
こちらは、駐車場ほど大掛かりではありませんがクレームの元になります。
よくあるのが放置自転車対応です。
過去に退去した人が自転車を置いていくケースがあり、退去時に見落としてしまうと駐車場に放置自転車として残ってしまいます。
一方で、所有権の問題もありすぐには撤去できないので、張り紙などで通達後、一定の期間を空けて撤去するなど、なかなか手間がかかります。
他にも、ファミリー世代向けのアパートでは家族が増えたりで駐輪場の要望が増えたりすることもあります。
地域や住んでいる人の年代・周辺環境にもよりますが、私は過去に駐車場を撤去して自転車置き場に変更し、収益を上げたこともあります。
これからは町のコミュニティサイクルも増えていきますので、マンションでの駐輪場事情も変わっていきますね!
電気設備更新 | 不動産管理 | 必要工事
一定規模以上のアパート、マンションの場合はキューピクル内に電気設備が設置されています。
変圧器(トランス)をはじめ、さまざまな種類の設備があります。
この規模になると電気主任技術者を選任して定期点検、法定点検が義務化されています。
定期点検の際に劣化が確認されたり、使用年数などで交換が推奨されたものはなるべく早く交換していくことをお勧めします。
あまり流通量が多くないものは受注生産となります。もし部品の故障が原因で停電してしまい、発注後3ヶ月と言われたら。。ゾッとしますね。
長期間停電してしまうと入居テナント側からの営業補償などを求められて大変なことになります。少し前倒し気味で手配していきましょう。
終わりに | 不動産管理 | 必要工事
どんな建物も、年数の経過とともに劣化していきます。
きちんと維持管理をして家賃をもらうためには適切なタイミングでの工事が必要です。
少し後回しにしても大丈夫な工事と、最優先で行っていかなくてはいけない工事をきちんと区別して、優先順位をつけて手配していきたいですね。
建物の維持にはお金がかかりますが、工事を後回しにした方が結果的に高くついてしまうケースも多いです。
計画的に修繕して行けたらいいですね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!
私は管理会社に10年以上勤務しています。その経験からまとめました。