この記事を読んで欲しい人 | 大規模ビル | 消防設備 | 共用部
この記事は、
- ビルの共用部の消防設備がよくわからない!
- ビルに入居しているが、災害の時も大丈夫かな?
- 不動産管理業界に入ったばかりです!
今回は上記の方向けに、中規模以上のビルを想定して共用部の消防設備についてまとめました。
オフィスに勤務していて、
- もし大きな地震が起きたら?
- 火事が起きたら?
パニックにならずに対処できるでしょうか。有事の時に冷静に避難、行動するためには日ごろからの備えと知識が重要です!
もくじ | 大規模ビル | 消防設備 | 共用部
今回は、共用部に設置されていることの多い設備についてまとめています。
専有部については別記事で触れています!
消火栓 |大規模ビル | 消防設備 | 共用部
消火栓については、誰もが必ず見たことがあると思います。火事の時にはこの消火栓を操作して、水を放出して初期消火を行います。
基本的には2名で操作します。操作方法を簡単にまとめると、
- 起動ボタンを押す
- 点滅を確認
- 扉を開ける
- 筒先とホースを持ち火元へ
- バルブ開放
- 放水開始
の順番で操作します。
詳しい操作は、別記事の自衛消防技術認定(実技対策)の中でも触れています。
消火栓に関してよく聞かれる項目はこちら
用途や、規模によって異なりますが、15m~25mのホースが2本連結されていることが多いです。消火栓から火元が近い場合はホースを1本にしてから操作することが必要です。(ホースが折れると上手く水が放出できないため)
炎が天井まで届いたら消火活動は消防隊に任せて避難しましょう。
人命が第一です。
水圧がものすごく高いので2名以上で使用しないと危険です。
なお、夜勤のある病院など、一人で使用するタイプの消火栓が設置されている箇所もあります。その場合はバルブと併せてホースの先端の筒先に弁がついていて、そこで水量を調整します。
非常用エレベーター | 大規模ビル | 消防設備
高さが31mを超える建築物では通常に使用しているエレベーターと別に、火災の際に消防隊が使用するエレベーターがあります。特徴としては
- ビルが停電になっても発電機で使用可能
- 防災センターや基準階(1階など)での操作で強制呼び戻しができる
- かごの中の見える位置に消防運転スイッチがある
などがあげられます。
上記の写真は通常のエレベーターです。
非常用エレベーターは多くの場合は貨物用の物と共用の場合が多いです。停電になっても一定時間使用できるエレベーターなので、ご利用中のビルではどうなのか確認しておきましょう!
基本的に、避難の時にはエレベーターを使用せずに階段で避難することが原則になっていますが、
- けがをした人がいて階段で避難できない
- 階段近くで火災があり、階段が使えない
などの理由で、階段での避難が困難な場合は、非常用エレベーターを使用することはやむを得ないとの認識になっております。
人命優先で、臨機応変に活動することが大切です。
避難階段 | 大規模ビル | 消防設備 | 共用部
オフィスなど、普段いる場所から一番近い避難階段の場所を知っていますか?
1階など避難階(地上に避難できる階)へ直通している階段がどこにあるのか、普段から意識しておくといいと思います。
なお、建物の規模によっては「2方向避難」といって階段が2か所以上ありますので、仮に1つの階段室で火事があっても、もう一方の階段から避難することができるようになっています。
日頃から避難階段の位置を意識しておく事が大切です。
間違っても、階段室にロッカーなどをおいてはダメですよ!
防火区画 | 大規模ビル | 消防設備 | 共用部
エレベーターや、避難階段の近くは防火区画といい、もし火事になっても火がまわりにくい構造となっています。
もし火がまわってしまうと他の階にまで延焼して被害が大きくなってしまうためです!
防火区画を形成するものとして次の二種類があります。
防火戸 | 大規模ビル | 消防設備 | 共用部
火災の延焼を防止するための扉です。普段は壁に埋まっているタイプや、柱から少し飛び出た壁のようなタイプもあります。
通常の間仕切り壁と比べて火に強く作られていますので、火災の延焼を防ぎます。
扉の前に荷物が置かれたりすると正しく作動しないので、荷物や什器を置かないようにしましょう。
防火シャッター | 大規模ビル | 消防設備 | 共用部
エレベーターや、階段・吹き抜け部分の周辺にあります。
普段は天井内に格納されていますので気づきにくいと思いますが、火事などの際にはシャッターが降りて、火災の延焼を防ぎます。
なお、シャッターが閉まってもその周辺には必ずくぐり戸(扉)があります。逃げられなくなることはありません。
3種感知器 | 大規模ビル | 消防設備
上記の、
- 普段は壁と一体化している防火戸
- 普段は天井内に格納されているシャッター
については煙感知器で火災を感知して起動します。
ただ、火事を早期発見する感知器と比べて感度を下げており、火事の発見から少し遅れて起動するように設計されています。
理由は、普段空いている扉やシャッターが閉まっていると人がパニックになり、避難の障害になってしまうことがあるからです。
また、防火戸やくぐり戸は必ず避難する方向に押すと開くようになっています。
人間は緊急時にはパニックになります。もし引かないと開かない扉で押してしまい、
「開かない!」となったら避難が遅れてしまいます。
この防火戸、防シャッターを起動するための感知器を3種感知器といい、よく見ると感知器の中心に赤マークがついていることがあります。参考までに探していただくと面白いと思います。
最後に | 大規模ビル | 消防設備 | 共用部
ビルの消防設備の内、お部屋の外である共用部にあるものを重点的に説明させていただきました。
年に2回の消防訓練などで意識する機会があるかもしれません。
もしもの時に人命を守るため、明日から意識して見てみてください。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!
命を守るために、ビルの消防設備について知っておきましょう!